ファンパーク

幼少時代にGKの楽しさを見いだし、小・中学時代にフットサルで技術を磨き、
高校時代に自分の個性を生かす方法を学んだ。
そして、プロ入り当初の挫折で改めて感じたチームメイトの大切さ。
様々な経験によって確立していった"森岡亮太らしいプレー"の原点がここに凝縮されている。

サッカーとフットサルで技術を磨いた小・中学時代

 今の彼からは想像し難いが、サッカーを始めた頃はGKが好きだったそうだ。それもあって、小学3年生まではGKとフィールドを掛け持ちでプレーしていたとか。「足より手を使うほうが楽しかった」と笑う。

「初めてサッカーに出会った保育園時代も、入り口のフェンスをゴールに見立てて、ボールを蹴る遊びをよくやっていたんですけど、僕は大抵、止める側。友だちが蹴ったボールを防ぐことに喜びを見いだしていました。その後、5歳の時に3歳年上の兄が地元のチーム、正道カンガーFCに入団した流れで、僕も同U-6チームで本格的にサッカーをやり始めた時もGKとフィールドを掛け持ちでやっていて。ワイワイとボールを蹴っていただけでしたが、すごく楽しかった」

 正道カンガーFCが大会や公式戦への出場ができなかったことから、FCソルセウに籍を移したのは小学3年生の時。当時まだ発足間もないクラブだったが、仲の良かった友達の何人かがFCソルセウに入っていたことが決め手になった。

「FCソルセウは新しいチームで、僕らが3期生でしたからね。上級生が少なかったので3年生の時から6年生の大会に出場できていたんです。ただ、これがまた恐ろしく弱かった(笑)。相手のほとんどが6年生が中心のチームだったとはいえ、最初は練習試合を含めても、試合で一度も勝てなくて。だから、城陽市のチームが集まって戦う小さな大会のベベ決定戦で、PK合戦の末にようやく初勝利を挙げた時は、監督以下、コーチ、選手まで全員で泣いて喜びましたよ(笑)。ちなみに、その時は監督の意向から基本的にはフィールドでプレーしていたんですけど、PKの時だけ僕がGKをすることになっていて。そのPK合戦でも、キッカーとしてゴールを決めたかは覚えていないけど、何本か止めたことだけは覚えています」

 FCソルセウ時代は5年生になった頃から同フットサルチームでもプレーすることが増えた。その中で、例えば「リフティングをすればボールを扱いやすくなる。だからリフティングをたくさんできるようになろう」というように、何をするにもその意図や必要性を教え込まれた経験は、彼に《考える》機会を増やし、それがプレーのアイデアにつながることもあったようだ。

「FCソルセウの指導者は、やたらほめてくれるんですよ。何かができるようになったら『お前は天才やな!』というような言葉を掛けてくれるし、試合で点を取ったら、選手以上に喜んで僕らを盛り上げてくれる。それもあって、ほめられたい一心でいろんなプレーにチャレンジすることが増えたというか。点を取るにはどうやって相手を抜けばいいのか、どんなプレーが有効なのかを自分で考えて練習に取り組むことが増えたし、それが試合で成功しようものなら天才扱いですから(笑)。『楽しい』以外に表現が見つからないくらい楽しかった」

 その一方で、フットサルでは初めて京都府代表として全国大会を経験するなど、チームも選手個々も着実に成長していたのだろう。中学進学にあたっては、ヴィッセル神戸やガンバ大阪のアカデミーからも声を掛けられたが、両親の薦めから地元の東城陽中学校に進学。FCソルセウでもプレーした仲間と今度は部活動の中でボールを蹴るようになる。

 ただし、同サッカー部の顧問はそこまで熱心ではなかったらしく、平日の練習にはほとんど顔を出さずに練習メニューだけを渡されていたとか。だが「そんな練習をしても面白くないからと、僕らはひたすらミニゲームをしていた」と森岡。しかも当時、FCソルセウが中学生対象のサッカースクールをやり始めたことから、平日は学校の部活動で練習し、土日は試合。さらに、月曜日と木曜日の夜はスクールに通って技術を磨き、それでも物足りずに日曜日の夜にはFCソルセウのフットサルチームに顔を出していたそうだ。

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つづきは、オフィシャル月刊誌「ヴィッセルスマイル」Vol.11[MAY.2014]でお読みください。

ヴィッセルスマイル Vol.11 [MAY.2014]
  • 「今月の男:森岡亮太」(森岡亮太選手特集)
  • 田代編集長のレンタルルーム IN THE ROOM~慶治朗の部屋
    (小川慶治朗選手が増川隆洋選手をゲストに迎えた対談)
  • 相馬崇人の欧州クラブ探訪
  • HASSY's EYE(橋本英郎選手がプレーや戦術を解説)
  • チョンウヨン直伝!韓流スタイル
  • あの人は今(第1回:佐伯直哉) ほか

価格:500円(税込)

「ヴィッセルスマイル」の詳細

森岡亮太(もりおか・りょうた)

Profile
森岡亮太(もりおか・りょうた)
昨季後半、神戸をJ1復帰に導く攻撃のタクトをふるった若きファンタジスタ。精度の高いトラップと広い視野から繰り出される精密なパスで、司令塔に君臨。そのテクニックや攻撃センスはチームメイトからの信頼も厚く、心強い。背番号10をまとって2年目。神戸の顔となる今季はJ1の舞台で躍動する。
1991年4月12日生まれ、京都府城陽市出身、180cm/70kg