ファンパーク

J1リーグで2シーズン連続の2ケタ得点を挙げただけでなく、献身的な守備に加えてキャプテンとしてチームを牽引し続け、クラブ史上最高位の年間7位へと導いた。誰もが『タイトル』を意識している今シーズンも、指揮官の厚い信頼のもと再び重責を任された。「常に点を取りたい。それがあっての自分」。そう、ストライカーとしての欲も隠さない渡邉千真。だからこそ、否応なく期待は膨らむ。今やヴィッセル神戸の象徴とも言える存在となったナンバー19が積み重ねるゴールの先に、初タイトル獲得の瞬間が待っていると―。

先頭に立って気持ちを示さなければいけない

―2017シーズンが始まりました。どのような決意でスタートしましたか? 「同じチームで、同じ監督のもとでのスタートとはいえ、1年1年顔ぶれも違えば、競争も1からになりますからね。毎年、シーズンが始まる時には新たな気持ちで臨んでいるように、今年もしっかりと自分の気持ちをリセットして新シーズンを迎えました。それはチームとしても同じだと思います。昨年の2ndステージではクラブ史上初の2位という成績を残すことができたし、戦い方としても手応えを感じられる部分は多かったけど、だからといって今年も同じように戦えるとは限らない。どのチームもしっかりと補強をしてチーム力を高めてシーズンに臨んでいることを踏まえても、今シーズンも気を引き締めて戦わなければいけないと思っています」

―個人的には、ヴィッセルでの3年目のシーズンを迎えます。この「3年目」に対して思うことはありますか? 「言われてみれば3年目に突入したな、という程度で特に何かを意識することはありません。ただ、当然のことながら年を重ねるほどクラブへの愛着は増している中で、今は本当にこのチームのため、神戸の街のために、自分の持っている最大限の力を注ぎたいし、それによって最終的には今シーズンの目標である『タイトル』獲得につなげたいと思っています。そのシーズン開幕に向けて、例年どおり10日間の沖縄キャンプを経て神戸の地に戻ってきました」

(中略)

―外から見ていると、昨年に比べてチームの雰囲気が少し大人になったように感じます。 「そうですね。僕の一つ下の年代の選手が3人も入ったからか、落ち着いたというか……少し若々しさがなくなった感じもしますが(笑)、よく言えば大人の雰囲気が出てきました。またネルシーニョ監督体制での3年目ということもあり、いい意味で、みんながいろいろなことを感じられるようになっているし、やる時は真剣にやるけど、ピッチを離れたところではいい感じで力が抜けているというように、オンとオフの切り替えがしっかりできるようになってきたのもいい変化につながっているのかもしれない。あと、(田中)順也やナベ(渡部博文)、(高橋)秀人の3人がよく話すのもありますが、それに引っ張られてピッチ外でサッカーについて話す機会が増えたのもプラス材料だと感じています。というのも、チームのためにいろいろなことを発信できる選手が増えるのはすごくいいことだと思うから。ここから先の長いシーズンでは、いい時も悪い時もあるはずだけど、年齢に関係なく常に全員が『チームが良くなるために』という思いのもとで発信し合えるチームになるのは理想だし、僕自身もそこは意識して取り組みたいことの一つです」

―昨年に引き続き、今年もキャプテンに任命されましたが、その責任も今の言葉につながっているのでしょうか? 「それもあります。もちろん、キャプテンであることに関係なく、チームがいい方向に向かうために自分のやるべきことをやるというのが僕のスタンスですが、昨年1年間キャプテンを預かってみて、チームの象徴的な立場であることの責任はすごく感じましたからね。だからこそ、より意識していろいろなことに取り組まなければいけないという思いは強い。といっても、実はシーズンが始まったばかりの頃は、もしかして今年はキャプテンを代えようとしているのかな、とも思っていたんです(笑)。なぜなら、僕自身は『監督も同じだし自分がなるのかな』という思いを持ちながらシーズンを迎えたのですが、監督がなかなか指名してくれなかったから(笑)。昨年はキャンプに出発する前に言われたのに、今年は何も言われなかったですしね。だから『他の人に決めようとしているのかな』と考えたりして、ソワソワしていたんですけど、結果的にはキャンプが始まって2~3日経ってから監督に呼ばれて、無事に指名されました(笑)」

―昨年、新キャプテンに就任した際は、「他人の真似ではなく、自分のスタイルでチームを引っ張りたい」と話されていました。実際に1年間、その役割を担ってみて、渡邉選手の『キャプテン像』というものは見えてきましたか? 「性格的にガンガン声を出してチームを引っ張るとか、ある時は怒って、声を荒げてというようなことを意図的にできるタイプではないですからね。だからこそ昨年は、まずプレーで引っ張ることと、あとはその時々のチーム状況を見極めた上であえて声を出す必要を感じたらチームを鼓舞する声を出すことだけを心掛けていましたが、そこは今年も大きくは変わらないと思います。というか、それくらいしかできない(笑)。だから『キャプテン像』を語れるほどキャプテンらしいことはしていないのですが、とりあえずチームのため、仲間のために、プレーでも声でも、自分が先頭に立って気持ちを示さなければいけないとは思っています」

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つづきは、オフィシャル月刊誌「ヴィッセルスマイル」Vol.37[APR.2017]でお読みください。

ヴィッセルスマイル Vol.37[APR.2017]
  • 「キャプテンインタビュー」渡邉千真選手
  • 「ニューフェイス クロストーク」渡部博文選手×田中順也選手
  • 「ニューフェイス インタビュー」新加入6選手
  • 「スペシャルインタビュー」田中健一代表取締役社長
  • 「2017シーズン沖縄キャンプレポート」
  • 「VISSEL festa 2017 レポート」
  • 「いぶき日記ダイジェスト」 など

価格:500円(税込)

「ヴィッセルスマイル」の詳細

渡邉千真

Profile
渡邉千真(わたなべ・かずま)
早稲田大学卒業後、2009年に横浜FMへ加入。新人最多13得点を挙げ新人王に輝くと、翌年には日本代表に選出された。FC東京を経て、15年よりヴィッセルへ。1年目からリーグ戦10得点を記録し、昨年はサイドMFを預かり守備にも尽力しながら2年連続のJ1リーグ2ケタ得点を達成した。また、昨年からは自身初のキャプテンに就任。初タイトル獲得を期す17年はさらに強い覚悟を胸に、先頭に立ってチームを牽引する。
1986年8月10日生まれ、長崎県雲仙市出身、182cm/77kg