ファンパーク

度重なるケガに悩まされ、一度も公式戦のピッチに立つことなくシーズンを終えた昨年の苦い記憶を振り払うべく、自身の体と向き合い、若き才能は力強くパワーアップを遂げた。
今年のU-20ワールドカップでは世界との差を、自身の現在地を感じたが、焦ることはない。
これからも「地に足つけて、もっと高い欲を持って」毎日に全力を尽くす。
目指すべき未来は『今』の先にしかないことを知っているから── 。

世界との差が開かないようにチームで努力していく

―今年は藤谷選手にとって、FIFA U-20ワールドカップ韓国2017を意識したスタートになったと思います。プロ2年目のシーズンにどんな決意で臨んだのでしょうか? 「プロになるまでは、ある意味、順調に進んできていたけど、昨年はケガが続き、1試合も公式戦に出られずに終わってしまいましたからね。初めて挫折を味わった一方で、自分自身や体のことを見つめ直すいい機会にもなりました。特にリハビリ中はアカデミー時代には取り組んでいなかった器具を使った筋トレをするようになり、上半身、下半身ともにパワーアップを図れたのは収穫でした。事実、復帰後は以前よりも当たり負けしない体や、相手を抑え込む力がついてきたなと感じられるようになりましたしね。だからこそ、今年は引き続き、自分をパワーアップさせることと、何より「ケガをしないこと」を意識してスタートしました。それができれば、昨年1年を通してケガのなかった(東)隼也がサイドバックなどでチャンスをもらえたように、自分にも出場のチャンスが来ると思っていたところもあります」

―『挫折』を乗り越える上では何が支えになったのでしょうか? 「一番大きかったのは、U-19日本代表の活動だと思います。チームで試合に出ていなくてもU-19日本代表に呼んでもらえていたのはモチベーションを維持する上で大きかった。また、昨年10月にはAFC U-19選手権2016が控えていましたからね。予選から常にメンバーに入ってきただけに、そのままU-19日本代表として戦い続けたいと思っていたし、その上で純粋にアジアの舞台で自分がどれくらい戦えるのかを知りたいという気持ちが支えになったところはありました。その中で、結果的にU-19選手権に出場して『やれる』という自信をつかめたこと、新たに『世界』という目標ができたことで、心を折らずに頑張れたんだと思います」

―今シーズンもすでに半分が過ぎました。先ほどおっしゃった「パワーアップ」を図る上で、新たに取り組んでいることはありますか? 「昨年、肉離れをしてしまったことを踏まえ、その部分の筋肉の強化と、柔軟性を高めることには意識的に取り組んでいます。個人的に足りない部分を補うトレーニングもしていますし、練習前後でのストレッチや体のケアも念入りにするようになりました。また、ケガをする前は自分でできる範囲のケアをやっているだけでしたが、ケガをして、トレーナーの方に『人を頼ることも大事だよ』と言ってもらってからは、マッサージをお願いするようになったり、張りを感じたらすぐに相談したり、自分の体を敏感に感じ取って行動に移すことも増えました。それによって、最近は柔軟性が出てきた気がするし、ここまではチームでも昨年以上に公式戦に絡みながら、大きなケガもなくやれているので、それなりの効果は出ているように思います」

―チームでのプレーについてお伺いします。まずはU-20W杯前から振り返ると、リーグ戦ではサブに名を連ねながらも出場はなかった中で、YBCルヴァンカップでは初戦から4試合続けて先発出場しました。U-20日本代表入りへのアピールを、という思いも強かったですか? 「それも多少はありましたが、もともと僕はチームでの活躍がなければU-20日本代表に選ばれることはないと思っていたので、チームでネルシーニョ監督にしっかりアピールしたいという思いのほうが強かったです。ルヴァン杯で何かしらの結果を残せれば、リーグ戦に出場するチャンスが広がるかもしれないという考えもありましたしね。結果的に、ピッチに立って課題を感じた部分もあった一方で、スピードは通用したし、サイドからの突破も何回かできたし、そこで相手にボールを奪われてもまた取り返してクロスを上げられたりしたことは自信になりました。また、気持ち的な部分でも、一昨年に2種登録選手として試合に出場した時は正直、自分に全く自信が持てないままプレーしていたけど、今年は自信を持ってピッチに立てたのも大きかった。と同時に、プロになって初めて公式戦に出場し、スタジアムの雰囲気やそこに立つ自分を体感しながら改めて責任感を持ってプレーしなければいけないと感じられたことは、日の丸を背負ってU-20W杯を戦う上でも弾みになりました」

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つづきは、オフィシャル月刊誌「ヴィッセルスマイル」Vol.42[SEP.2017]でお読みください。

ヴィッセルスマイル Vol.42[SEP.2017]
  • 編集長スペシャル企画
    「ベテラン&若手がハーバーランドで語り合うヴィッセルの未来」
    田中英雄選手×徳重健太選手×東隼也選手×中坂勇哉選手×安井拓也選手
  • 特集「RECOMMEND FACE」藤谷壮選手
  • 「VISSEL LAB」大森晃太郎選手
  • 「秘蔵PHOTO COLLECTION」ウエスクレイ選手
  • YBCルヴァンカップ グループステージハイライト&準々決勝プレビュー
  • 「コーチングスタッフインタビュー」アレックスGKコーチ など

価格:500円(税込)

「ヴィッセルスマイル」の詳細

藤谷壮

Profile
藤谷壮(ふじたに・そう)
ジュニア時代からヴィッセル一筋の生え抜きサイドバック。縦への推進力を武器にサイドを制圧するスピードスターは、ケガに泣いた昨年の悔しさやU-20W杯で世界と対峙した経験を糧にたくましく成長。リーグ戦でも出番をつかみ、“今”と向き合いながら日々研鑽を積んでいる。
1997年10月28日生まれ、兵庫県神戸市出身、178cm/62kg