ファンパーク

昨シーズン終盤に味わった悔しさを糧に、開幕から攻守において存在感を示している橋本和。
今年9月には32歳を迎えるが、「年齢に抗ってチャレンジをすることが楽しい」と充実ぶりを窺わせるベテランは、同時に「頭の中には純粋にヴィッセルの目標実現のために貢献することしかない」とブレない決意を携える。
目標とは、もちろんクラブ初タイトルの獲得。その実現に向け、背番号22ははひたむきに左サイドを駆け続ける。

チームが勝つために攻守で後押しをできれば

―ヴィッセルで迎える3年目のシーズン。昨年終盤は悔しい思いをされていた中で、今シーズンをどんな覚悟でスタートされましたか? 「確かに昨年終盤は試合に絡めず、悔しい思いをしましたが、左サイドバックで起用されていたイノさん(伊野波雅彦)やマー(三原雅俊)のプレーの特徴を見ていても、明らかに監督がそこに守備力を求めていましたから。素直に、監督は自分の守備力に物足りなさを感じているんだなってことを受け入れて、守備力をもっと磨こうとも思ったし、でも、自分の持ち味である『攻撃』で勝負したいという考えもありながらシーズンを終えました。ただ、オフの間に今一度自分を見直した中では、やっぱりまずは自分のできること 《攻撃参加や数多くクロスボールを送り込むこと》 で勝負しようという気持ちが強かったので。『チーム』として戦う以上、全員が全員、同じプレースタイルでプレーする必要はないからこそ、自分の持ち味を磨きながら、監督がその『持ち味』をチームが勝つために使いたいと思った時のために準備を続けようと思っていました」

―橋本選手の獲得を希望したネルシーニョ前監督が昨シーズン途中でクラブを離れました。その事実は、今シーズンもここでプレーすることを選ぶ上で心理的に影響したのでしょうか? 「2016年の夏にヴィッセルへの移籍を決めた際には、もちろんネルシーニョさんに求められたことも理由の一つでしたが、それだけでヴィッセルを選んだわけではありませんでした。実際、当時の強化部の方とは、サッカー界ではいつ監督が交代するか分からないという話もしていましたしね。だからこそ、僕自身もまずは純粋に『ヴィッセルでプレーする自分』をイメージして移籍を決めた経緯がありました。そういう意味では、ネルシーニョさんがチームを去ったことは残念でしたが、ヴィッセルへ移籍する際に感じていたチームへの魅力、このチームでタイトルを獲りたいという思いが揺らぐことはなかったですし、それはオフにいろいろなことを考える上でも、自分の中心にありました。だからこそ、今シーズンを迎えるにあたっても、自分の頭の中には純粋にヴィッセルの目標実現のために貢献することしかありませんでした」

―そうした思いでスタートを切った今シーズンは、開幕からスタメンを飾りました。以降、出場した試合では左サイドをともに構成する左MFの田中順也選手やルーカス ポドルスキ選手らとの連係の深まりを感じます。 「今シーズンからボールを保持し、パスをつないでゴールを目指す攻撃サッカーを目指している中で、開幕直後は思うように実現できず……というか、どうしても序盤は個々のミスも多く、それが足かせとなってチームとしての戦いがなかなか形になっていかない時間が続きました。ただ、どんな時も毎試合、それぞれが感じたことを言葉でぶつけ合って、理解を深めようとやってきて、最近はそれが形になるシーンも増えてきた。特にルーカスは、これまで様々な経験をしてきた選手で、僕をはじめチーム全体にいろいろな高い要求を求めてくれていましたから。実際に彼自身も細かな質にこだわって、中心選手としてチームをオーガナイズすることを意識してくれていた中で、そういう細かな働きかけが意識の変化にもつながって、動き出しが一歩早くなったり、球際で一歩踏ん張れるようになって、チームがいい方向に走り出した。ましてや、今はリーグ戦とカップ戦でメンバーを入れ替えながら戦っても、ある程度『結果』を出せていますから。内容が良くても、結果が出なければチームの勢いにブレーキがかかることもあるのがこの世界ですが、今は毎試合、掲げているコンセプトのもと、個々が「いかに自分をそこに近づけるか」にこだわってプレーできているし、それをチームの力にするという意識で戦えている。これを続けていけば、例年とは違う結果を出せるんじゃないかという期待感もあります」

―ビルドアップのためにはサイドバックの貢献も必要になる中で、橋本選手も持ち味である『攻撃力』をうまくチームに落とし込んでプレーされているのが窺えます。 「今シーズンはサイドバックがなるべく高いところにポジションを取って攻撃に絡んでいくこと、あるいは他の選手がサイドでの連係に効果的に絡んでいくことにチャレンジしている中で、ボールをつなぎ始めたら動き出すことは意識していますし、クロスボールやフィニッシュにつながるプレーの質は個人的にもこだわっているので、続けていきたいです」

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つづきは、オフィシャル月刊誌「ヴィッセルスマイル」Vol.48[JUN.2018]でお読みください。

ヴィッセルスマイル Vol.48[JUN.2018]
  • 編集長スペシャル企画 アンリ・シャルパンティエを訪問!/
    渡部博文選手×田中順也選手×前川黛也選手
  • VISSEL SMILE EXPRESS/橋本和選手
  • VISSEL LAB/佐々木大樹選手
  • 秘蔵PHOTO COLLECTION/吉丸絢梓選手
  • COACHING STAFF INTERVIEW/公文栄次 ポルトガル語通訳兼アシスタントコーチ
  • 荻晃太選手コラム「ドレスコードはありません」
  • “裏”いぶき日記/前川黛也選手 など

価格:500円(税込)

「ヴィッセルスマイル」の詳細

ハーフナー マイク

Profile
橋本和(はしもと・わたる)
確なクロスや機を読んだ攻め上がり、優れた足元の技術を持ち味とする左サイドバック。大学卒業後の09年に柏へ加入。6シーズンにわたり活躍し、数々のタイトルを手にした。浦和を経て、16年夏から神戸へ。高い経験値を還元しつつ、攻守にチームを支えている。
1986年9月14日生まれ、滋賀県長浜市出身、181cm/72kg