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今シーズン加入した即戦力として闘志溢れるプレーで攻守にわたってチームを牽引している三田啓貴。
9月に発表された電撃的な監督交代を受け、「自分を不甲斐なく思う」と悔しさを滲ませた熱血漢は、その思いを糧に、新監督のもとで理想のサッカーを実現するべく、すべてを捧げることを決意している。
「全力で戦う。それは常に僕の基本」。頼もしきファイターは、最後まで諦めることなくガムシャラに戦い抜く。

新監督のもとで理想とするサッカーにより近づけたら

―9月17日に監督交代が発表されました。まずは、その事実をどう受け止めましたか? 「J1リーグで2連敗、天皇杯ラウンド16のサガン鳥栖戦を含めると、公式戦4連敗でしたから。自分たちが結果を出すことができず、監督交代という状況を引き起こしてしまったという意味ではタカさん(吉田孝行前監督)には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。今シーズン、僕はタカさんに呼んでもらってベガルタ仙台から移籍してきただけに、何としてもチームの、タカさんの力になりたいという思いで戦ってきましたが、力及ばずで……。もっとやれたことや力になれることがあったんじゃないかと考えても、自分を不甲斐なく思います」

―フアン マヌエル リージョ新監督(愛称:フアンマ)の新体制発表会見には選手の皆さんも出席されました。会見の前には新監督のもと、ミーティングも行われたと聞きましたが、印象に残った言葉があれば教えてください。 「とても情熱的な方だなというのが第一印象でした。ミーティングの中では『頭を動かして、ハートで伝えていくこと』の大切さを繰り返しおっしゃっていましたが、すごく熱さも伝わってきたし、その思いに自分たちも応えたいという気持ちが強くなりました。これまで僕は、いろいろな監督のもとで戦ってきましたが、新しい監督との出会いは、選手にとって新しいサッカー観に触れ、学ぶチャンスでもあります。フアンマ監督にとっては今回が初めてのアジアでの仕事だと聞いていますが、数あるオファーの中から日本、そしてヴィッセル神戸を選んでくださったということで、一緒に仕事ができるのが楽しみだし、アツさん(三浦淳寛スポーツダイレクター)が会見でもおっしゃっていた『チームが理想とするサッカーに近づくための交代』だということを僕たちもしっかりと受け入れて、残りシーズンを最後まで、目標に向かって戦っていきたいと思っています」

―今シーズンは、スタートからボールを大事にしたポゼッションサッカーにスタイルを変えて戦いを進めてきました。その理想とするスタイルに近づけているという手応えはありますか? 「近づけたなと思えた試合と、そうじゃない試合の両方があったというのが正直なところです。実際、戦い方という面でも、ルーカス(ポドルスキ)やアンドレス(イニエスタ)がいる時、いない時で4-4-2と4-3-3を併用して戦ってきましたが、出場する選手によってサッカーを変えざるを得ない時もありました。もちろん、その状況に応じて臨機応変に戦う柔軟性は、長いシーズンを戦っていく上でチームが備えなければいけない力だと思いますが、まだ完璧には確固たるスタイルができ上がっていない状況だっただけに、より難しさを感じたところはありました。自分たちがやろうとしているサッカーがハマったら結果を出せるけど、うまくいかなくなった時に立て直し切れなくて結果が出せないということが起きてしまったのは、その象徴だったと思います。ただ、シーズン当初に比べればタカさんのもとで『土台』はできてきたとは思うので、それはその先の戦いでもベースにしつつ、フアンマ新監督のもとで理想とするサッカーにより近づけたらいいなと思います」

―三田選手ご自身も、システム変更に応じて、ポジションを変更しながら戦ってきました。4-4-2の時には持ち味である前への推進力がより発揮できていましたが、インサイドハーフを預かる4-3-3では以前ほど前線に顔を出す回数が多くはない。それは役割もあってのことですか? 「一つには、4-3-3のインサイドハーフを預かる際は、前から下がって攻撃を組み立てるのではなく、まずは自分のポジションでボールを待ってプレーすることを求められているからだと思います。また、自分の前に位置するルーカスとの関係性を考えても、自分が上がり過ぎると全体のバランスが崩れてしまいますから。そこに配慮することよって、前線に顔を出す回数が減っているという現象が起きているんだと思います。ただ、それも4-3-3がチームとして熟していないからでもあるというか。もう少しお互いを生かし合うことを考えられるようになれば、ポジションの入れ替えなどもスムーズにできるようになり、機能していくんじゃないか、という予感はあります。そこは……今後、新監督がどういう戦術を敷くかにもよりますが、いずれにしても僕自身は与えられたポジションで結果を求めることを第一に考えつつ、その上で自分の良さを落とし込んでいきたいと思っています」

―そうなれば、三田選手の豪快なシュートももっと楽しめそうですね。 「僕って、なぜかどのチームでも得点を期待されるんですけど……いや、もちろん取れるに越したことはないんですよ。でも本来はポジション的にも、プレースタイルとしても得点を取る選手ではないですからね(笑)。実際、そこだけを意識しているわけではなくて、自分自身はまず中盤でゲームを作ることが仕事だと思っているし、自分の得点よりも、チームを勝たせるためにどういうプレーができるのか、どんな貢献をすべきなのかを大事に考えてプレーしています」

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つづきは、オフィシャル月刊誌「ヴィッセルスマイル」Vol.52[NOV.2018]でお読みください。

ヴィッセルスマイル Vol.52 [NOV.2018]
  • SPECIAL REPORT「フアン マヌエル リージョが新監督に就任」
  • SPECIAL INTERVIEW/三浦淳寛スポーツダイレクター
  • VISSEL SMILE EXPRESS/三田啓貴選手
  • VISSEL LAB/古橋亨梧選手
  • 秘蔵PHOTO COLLECTION/橋本和選手
  • 荻晃太選手コラム「ドレスコードはありません」
  • “裏”いぶき日記/前川黛也選手
  • コーチングスタッフインタビュー/田中章博コンディショニングコーチ など

価格:500円(税込)

「ヴィッセルスマイル」の詳細

三田啓貴

Profile
三田啓貴(みた・ひろたか)
的確なパス配給で攻撃を組み立て、機を見た攻め上がりや強烈なミドルシュートで自身もゴールを狙うボランチ。守備でも豊富な運動量で広範囲をカバーする。普段は柔和な性格だが、ピッチでは攻守に闘志剥き出しで戦い、加入1年目から絶大な存在感を示している。
1990年9月14日生まれ、東京都世田谷区出身、173cm/63kg