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FCバルセロナという欧州屈指のビッグクラブから、今年3月にヴィッセルへ加入したセルジ サンペール。「移籍は『サッカーをプレーするため』にとてもポジティブな話だった」。大きな変化を伴った決断をそう振り返った背番号6は今、プレーできる喜びを一身に感じている。だが、もちろん満足はしていない。ここ日本で謙虚に、どん欲に学び続け、成長を追い求めていく。

熱意とプロジェクトに惹かれてヴィッセルへの加入を決めた

加入から約3カ月が経ちました。日本での生活には慣れましたか? 「ヴィッセル神戸への移籍は、スペインを離れるという大きな変化が伴うものでしたが、チームメイトやスタッフ、周りの方たちによる大きなサポートや、ファンの皆さんの温かい歓迎のおかげで、スムーズに適応できたと感じています。ピッチ外のところでも、最近は神戸の街について詳しくなってきたし、日本の文化を学ぶ機会も多く、とても充実しています。ただ一つ残念なのは、今はまだ『言葉』の壁があって、うまくコミュニケーションを図れないこと。なので、できるだけ早く日本語を覚えたいと思っています」

―改めて、ヴィッセル神戸への移籍を決断した理由を聞かせてください。 「ケガもあって長い間プレーしていなかった中で、ヴィッセルから声を掛けていただき、その熱意をすごく感じたことと、ヴィッセルが進めるプロジェクトに興味を惹かれ、その一員としてサッカーをできることに魅力を感じて移籍を決断しました。また、アンドレス(イニエスタ)の存在も大きかったです。彼からも直接電話をもらい、神戸の街のことや生活、日本のサッカーについて話を聞かせてもらいましたし、ヴィッセルが目指す大きなプロジェクトの一員として一緒にやっていこうと声を掛けてもらって、とてもうれしく思いました。スペインでずっとプレーしていたので、日本行きを心配する声も聞かれましたが、僕自身、長いケガから復帰してなかなかプレーする機会を得られていなかっただけに、『サッカーをプレーするため』に、とてもポジティブな話だと受け止めました」

―Jリーグデビューを果たした第4節の清水エスパルス戦を皮切りに、ここまでリーグ戦11試合に出場されました。J1リーグの印象を聞かせてください。 「スペインにいる時は、日本のサッカーを見る機会がなかなかなかったので、すべてが新鮮でした。その中で、選手個々のレベルが高く、ダイナミックなプレーをする選手が多いということや、自陣から相手ゴールにたどり着くまでのスピードが速く、試合をコントロールするのが難しいリーグだという印象を受けました。また上位から下位まで、とても競争力があることにも驚きました」

―J1リーグに適応するために、自身にプレーの変化を求めたところもあったのでしょうか? 「FCバルセロナではボールを保持しながらサッカーをすることに慣れていたのに対し、ヴィッセルはそこを理想としながらもスタイルを構築している段階にありますから。90分の中ではボールを保持できない時間帯や理想とは逆の展開になることもあります。それもあって正直、試合に出始めた頃は、やや適応に苦しみました。でも今は少しずつチームスタイルが構築されてきたことや、僕自身のコンディションが良くなってきたこと、また、ダイナミックなプレーをする選手と対等に戦うために、これまで以上に守備面での成長を自身に求めたことで、そこまでやりづらさは感じなくなりました。今後も、プロサッカー選手としていろいろなものを吸収し、自分に新たな可能性を見いだすために、常にいろいろなことにオープンマインドで向き合いたいと思っています」

―第6節の松本山雅FC戦からリーグ戦は7連敗、カップ戦を含めると9連敗と苦しみました。あの時期はどのようなマインドで現状に向き合っていたのでしょうか? 「常にポジティブでいることは心掛けていました。なぜなら、どんな流れも、自分たちの手で変えることができると考えていたからです。また、個人的なことを言えば、ケガでサッカーができない時期も長く経験しているだけに、サッカーができることを何よりも幸せだと感じていたところもあります。事実、ケガをしているとどれだけ自分がチームに貢献したいと思っても、外からチームを見守るだけで、力になることはできません。ですが、ピッチに立てている限りはチームの一員として、チームメイトとともに何をどう改善すべきかを考え、変化を求めるための行動ができます。そう思えるからこそ、プレーできる喜びが僕をポジティブなマインドにしてくれていたように思います。また、チームとしても、団結して戦うことに集中していましたし、サポーターも常に僕らのそばでサポートを続けてくれました。そうしたチームとしての結束が崩れなかったことが、現状を打開することにつながったのではないかと考えています」

―当時、どんなことを課題に感じていたのでしょうか? 「負けている=チームとしてうまくいっていない、機能していないからで、そこに必ず理由は存在します。ですが、何よりも僕は感情的な部分が大きく響いていたように感じました。負けが続いたことで、個々の選手が自信を失ってしまい、それが積み重なってチーム全体にネガティブな感情を生んでしまっていた。ですが、僕たちはその苦境をみんなで乗り越えることができました。加えて今はトルステン フィンク監督のもと、明らかにチーム状況は上向きになっています。これを続けていけば自然と勝点にもつながっていくのではないでしょうか」

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つづきは、オフィシャル月刊誌「ヴィッセルスマイル」Vol.59[JUL.2019]でお読みください。

ヴィッセルスマイル Vol.59 [AUG.2019]
  • SPECIAL INTERVIEW/トルステン フィンク監督「すべての情熱を傾けて」
  • VISSEL SMILE SPECIAL ISSUE/セルジ サンペール選手
  • 選手が神戸女子大学で特別講義!/渡部博文選手&大﨑玲央選手
  • VISSEL LAB/ダンクレー選手
  • 秘蔵PHOTO COLLECTION/増山朝陽選手
  • ダイヤの“裏”いぶき日記/前川黛也選手
  • コーチングスタッフインタビュー/セバスチャン ハーンヘッドコーチ など

価格:500円(税込)

「ヴィッセルスマイル」の詳細

セルジ サンペール

Profile
セルジ サンペール
6歳からFCバルセロナの下部組織で育ち、19歳の時にトップチームデビューを果たした。しかし、大きなケガもあって出場機会に恵まれず、今年3月にヴィッセルへの加入を決断。広い視野と卓越したパスセンスを武器に、ヴィッセルの攻撃のタクトを振るう。
1995年1月20日生まれ、スペイン出身、182cm/73kg

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