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今シーズン、関西のライバルクラブの一つであるガンバ大阪から、ヴィッセルへと加入した初瀬亮。その背景には自身の成長、そして東京オリンピックや海外挑戦という目標へと挑む確固たる決意があった。だからこそ、「いつ、どんな状況になっても自分のやるべきことに変わりはない」と心はブレない。残留争いも意識せざるを得ない厳しい後半戦も、背番号19は成長と結果を追い求め、日々全力を尽くす。

練習での積み重ねがすべて試合での結果に表れる

―移籍して約半年が経ちました。すっかりチームに溶け込んでいるようですね。 「もともと、(藤谷)壮や(中坂)勇哉ら若い世代の日本代表で一緒だった同世代の選手がいたぶん、チームに入っていきやすかったし、他の選手にも僕がすんなりと入れるスペースを作ってもらったおかげで、思っていた以上に早く溶け込めました。日々いろいろな刺激を受けているし、質の高い選手とプレーすることによる自身の変化も実感できていて、すごく充実しています」

―改めて、関西のライバルチームであるガンバ大阪からヴィッセル神戸へ移籍した理由を聞かせてください。 「来年開催される東京オリンピックに出場することを近い目標の一つに描いていた中で、そのためにはチームで試合に出なければいけないと思ったことが一番の理由です。また、僕はジュニアユース時代からガンバ一筋で育ってきましたが、プロサッカー選手として3年の時を過ごし、素直に新しいチャレンジをしたいという思いもありました。ただ、ガンバは僕にとってとても居心地のいいチームだったし、契約延長のオファーもいただいていたのですごく悩みました。どのチームでもポジション争いはあり、試合に出たいと思って移籍してもポジションを確約されることはないわけで、それなら慣れ親しんだ場所でプレーするほうがいいかな、と考えた時期もあります。でも、最終的には、ヴィッセルがスタイルとしているポゼッションサッカーにも惹かれ、『チャレンジ』に対する欲が勝りました。そんな思いで決断して約半年が過ぎましたが、コンスタントにリーグ戦に出場することで得られているものはたくさんあります。ケガで離脱してしまった時期もありましたが、それを含めてもここにきて良かったです」

―4月24日に行われたルヴァンカップのグループステージ第4節セレッソ大阪戦で左第3腰椎横突起骨折及び左背部肋間筋筋挫傷を負い、全治4週間と診断されました。移籍直後のケガだったと考えても、焦りは大きかったですか? 「焦りというよりも、僕がケガをした時期はチームがすごく悪い状況が続いていたし、監督交代を含めてチーム全体が苦しい時間を過ごしていたので、チームの力になれないことをすごく悔しく感じていました。ただ、ケガ自体は焦っても早く治るわけではないので、とにかくピッチに戻った時にどういう自分でありたいか、どんなパフォーマンスを示したいか、ということだけを意識してリハビリに取り組んでいました。また、つかみかけていたポジションがリセットされるという危機感もありましたが、そのことは逆にメンタル面での成長につながったと思っています」

―負傷から約1カ月半後に戦列に復帰してからは、再びポジションをつかみ、リーグ戦は第15節からフル出場を続けています。この半年間で得た刺激の中身を教えてください。 「公式戦でしか積み上げられない経験値をコンスタントに得られていることもそうですが、普段の練習から他のチームにはない質の高い外国籍選手とプレーできていることから受ける刺激もすごく大きいです。アンドレス(イニエスタ)をはじめ、(ダビド)ビジャやルーカス(ポドルスキ)らの寄せの速さやパスのスピード、判断のスピードは、単に見ているだけでは感じられなかったものですしね。また、ガンバ時代はサイドバックとして自分で走るタイミングを考えながら、溜めて走る、という感覚でプレーしていましたが、今は走ったらボールが出てきますから。これまでとは違う感覚で縦のアップダウンができていますし、実際に走れば精度の高いボールが出てくるからこそ、最後のクロスやパスの精度へのこだわりもより強くなっています。そこで僕が決定的な仕事をできれば得点にもつなげられる、という責任感を自分に課すことも成長につながっているはずですしね。あとはこれをいかにチームの結果や順位を上げることにリンクさせていけるかだと思っています」

―今シーズンはすでに2度の監督交代を経験しています。移籍初年度だと考えても、その都度、適応していく難しさは感じていたのでしょうか? 「いや、そこは意外と自分の中で揺れはなかったです。というのも、いつ、どんな状況になっても自分のやるべきことに変わりはないと思っていたから。シーズンがスタートした時から毎日のトレーニングでしっかりとプレーを磨き、アピールすることが大事だと自分に言い聞かせてやってきたし、練習での積み重ねがすべて試合での結果に表れると思っていたからこそ、監督が変わっても、自分のやるべきことに集中できていました。それは今も変わりません。もちろん、監督が代わればやり方も多少変わりますが、それによって得られるものもあるし、実際に(トルステン)フィンク監督からも、たくさんのことを学べています。その一つが、チームが一つになって戦うことを意識しながら、攻守にアグレッシブにプレーすることです。それを成熟させていけば必ず結果を見いだせると思っています」

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つづきは、オフィシャル月刊誌「ヴィッセルスマイル」Vol.60[SEP.2019]でお読みください。

ヴィッセルスマイル Vol.60 [SEP.2019]
  • 編集長スペシャル企画「WE LOVE スニーカー!」/大﨑玲央選手×田中順也選手×山口蛍選手×安井拓也選手
  • VISSEL SMILE SPECIAL ISSUE/初瀬亮選手
  • 川崎重工×ヴィッセル神戸/小川慶治朗選手&渡部博文選手
  • VISSEL LAB/安井拓也選手
  • 秘蔵PHOTO COLLECTION/那須大亮選手
  • コーチングスタッフインタビュー/ニコラ ヴィドヴィッチフィジカルコーチ など

価格:500円(税込)

「ヴィッセルスマイル」の詳細

初瀬亮

Profile
初瀬亮(はつせ・りょう)
中学生時代からG大阪のアカデミーで育ち、各年代の日本代表で活躍してきたサイドバック。今シーズンから完全移籍で神戸へ加入すると、持ち味の攻撃センスを発揮してレギュラーに定着。精度の高いキックを武器に次々とチャンスを作り出している。
1997年7月10日生まれ、大阪府岸和田市出身、180cm/70kg

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