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アーセナルやFCバルセロナで活躍してきたトーマス フェルマーレンが、今夏ヴィッセルへ電撃加入した。経験豊富なベテランDFは、「ヴィッセルの一員として戦えることへの期待感」を決め手に移籍したという。その期待感を胸に、チームが理想として掲げているポゼッションサッカーの実現、そして悲願である初タイトルの獲得へ向けて、持ちうる力のすべてを出し続ける。

個々の良さを発揮できればチーム力の向上につながる

―加入から1カ月が経ちました。日本での新たなキャリア、生活は順調に進んでいますか? 「街も、クラブも、チームメイトも素晴らしく、日々の生活に満足していますし、すごくポジティブな経験ができています」

―『日本』との縁はこれまでもあったのでしょうか? 「試合では何度か訪れたことがありますが、旅行でも来たことはなかったし、生活も初めてなので、いろいろなことを一から学んでいます。かつてのチームメイトであるセルジ(サンペール)やアンドレス(イニエスタ)、ルーカス(ポドルスキ)からも生活や国民性について様々な話を聞いていて、そのほとんどがポジティブな意見でしたが、実際に来日してみてもそのとおりだと思うことばかりです。今はまだ加入から1カ月で、サッカーに集中して過ごさなければいけない時期ですからね。日本を象徴するような場所には出掛けられていませんが、神戸の街は美しく、穏やかな時間を過ごせる場所も多くてとても気に入っていますし、ヨーロッパ人にもとても受け入れやすい文化だと感じています。もう少し時間が経てば……おそらく家族が来日する頃には、僕とチームとのフィット感やサッカーへの適応もより深くなり、そうなれば生活面や日本の文化などにも目を向ける余裕が出てくるはずなので、その時には家族といろいろなところに足を運んでみようと思います」

―7月27日にヴィッセルへの移籍が発表されました。移籍を決断する決め手になったことを教えてください。 「僕の人生に『サッカー』がなければ、日本という国を選ぶことはなかったと考えても、日本でプレーすること、ヴィッセルの一員として戦えることへの期待感が一番の決め手でした。また、先ほど名前を挙げたかつてのチームメイトや、これまで日本でプレーしたことのある選手がポジティブな意見しか言わなかったことも、僕の選択肢に『日本』が加わった大きな理由だと思います。先ほどもお話したように、彼らとはサッカーの部分だけではなく、生活がどうなのか、家族は安心して暮らしているのか、についても話しましたが、それらが僕の生活スタイルに合うと感じたことも決め手になりました。正直、僕がもっと若かった頃は、移籍に際し生活面を気にすることはなかったですし、幸運にも僕がプレーした国、街はどこも素晴らしく、適応に苦しむことはありませんでした。ただ、年齢が上がるにつれて家族の生活も考えるようになり、彼らが穏やかに暮らせる街であることはクラブを選択する上での大事な要素になりました。また、今年で34歳になる僕の次のステップを考えた時に、Jリーグは最適な場所だとも思っています。世間一般的に……特にフットボールの世界では、ヨーロッパに比べて日本でのプレーをキャリアダウンだと言う人もいますが、僕自身はむしろ、いろいろなサッカー、経験を積んできた今だからこそ、とてもいい決断ができたと思っています」

―Jリーグデビューを飾った第22節の大分トリニータ戦を含め、浦和レッズ戦、サガン鳥栖戦と3試合を戦いました。J1リーグの印象について聞かせてください。 「来日前はヨーロッパでJリーグの試合をライブで観る機会もなかったし、加入が決まってからも試合の映像はほぼ観ていないので、本当に来日してからの印象でしかないですが、レベル、クオリティーは間違いなく高く、規律を守るとかチームとして戦うことに対してそれぞれのチームがベースをしっかりと備えている、競争力のあるリーグだと感じています。といっても、試合をしたのはまだ3試合で、すべてのチームと対戦したわけではないので、それ以上のことを語るのはまだ早いように思います。これから試合を重ね、いろいろなチームと対戦した後に、もっと様々なことをお話できればと思います」

―第24節を終えた時点で、失点数は40とリーグで2番目に多くなっています。今後、失点を減らすために、チームとしてどういった機能性を高めなければいけないと思いますか? 「一番重要なのはコミュニケーションをしっかり取って、個人ではなくチーム、組織としてしっかり動くことだと思っています。裏を返せば、それさえできればJ1リーグで失点数を減らすことはそんなに難しいことではないのかな、と。ただ、そうした『組織』としての機能を求めるには、時間がかかることもあります。僕を含めこの夏に新加入選手が何人か加わった現状を考えてもなおさらです。ただ、その誰もが高い経験値を備えた選手ばかりなので、とにかくしっかりと言葉を交わし、一人ではなく全員で動くことを考えられるようになれば、自然と失点は減っていくのではないでしょうか」

―フェルマーレン選手の加入後、アンカーに位置するサンペール選手のプレーにも安定感が見られます。彼との関係性において意識していることはありますか? 「セルジがこれまでJリーグでどんなプレーをしていたのかは分かりませんが、今は同じピッチにいて彼の良さが出ているなと感じています。彼からも、以前は守備の部分で責任感を持ってやろうとしていたことが裏目に出ていたところもあったと聞いていますが、今はボールを持って前に運ぶとか、攻撃を組み立てるといった彼のストロングポイントがたくさん出ていることで、より彼の良さが際立っているのだと思います。セルジに限らず個々の特長、良さがスムーズに発揮できるチームになれば、それはチーム力の向上につながっていくことにもなるので、とてもいいことだと思います」

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つづきは、オフィシャル月刊誌「ヴィッセルスマイル」Vol.61[OCT.2019]でお読みください。

ヴィッセルスマイル Vol.61 [OCT.2019]
  • 編集長スペシャル企画/「神戸散歩」大﨑玲央選手×渡部博文選手×飯倉大樹選手
  • VISSEL SMILE SPECIAL ISSUE/トーマス フェルマーレン選手
  • SPECIAL INTERVIEW/アンドレス イニエスタ選手
  • VISSEL LAB/古橋亨梧選手
  • 秘蔵PHOTO COLLECTION/佐々木大樹選手
  • ダイヤの“裏”いぶき日記/前川黛也選手
  • コーチングスタッフインタビュー/モラス雅輝アシスタントコーチ など

価格:500円(税込)

「ヴィッセルスマイル」の詳細

トーマス フェルマーレン

Profile
トーマス フェルマーレン
オランダの名門アヤックスのアカデミーで育ち、これまでアーセナルやFCバルセロナなどのビッグクラブでプレー。数々のタイトル獲得に貢献してきた。シンプルかつ正確なプレーが特長で、加入間もないヴィッセルでは、早くも守備の中心としてチームを支える。
1985年11月14日生まれ、ベルギー アントウェルペン出身、183cm/80kg

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