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ヴィッセル神戸でプレーしたこの2年で右肩上がりの成長を続け、昨年11月には日本代表デビューも果たした古橋亨梧。
自身初となるタイトル獲得の喜びも味わったが、それでも満たされることはない。
「もっとうまくなれるし、もっともっと成長できる」──。常に自分自身を見つめ、努力を重ねているからこそ、背番号11はもっと貪欲に高みを目指していく。

「チームが勝つための選択」を勇気を持ってしていくことも大事

―『ヴィッセルスマイル』での単独インタビューは2018年11月以来、約2年ぶりとなります。ヴィッセルに加入して約2年。古橋選手にとっては濃厚な時間になったのではないですか? 「本当に濃い時間でした。初めてJ1リーグでプレーしたこと。今もそうですが、世界的に名の知れた選手やレベルの高い日本人選手とプレーできたこと。監督が何度も交代するという経験をしたこと。何よりタイトルを獲得したことのなかったこのクラブで、自分のサッカー人生で初めての『タイトル』を獲れたこと。また、初めて日本代表に選ばれたこと。どれもが自分にとってすごく貴重で、刺激的な経験でした。僕をこのクラブに呼んでくださった強化部の皆さんをはじめ、起用してくれた監督、信頼してくれたチームメート、コーチングスタッフ、メディカルスタッフら、このクラブにかかわるいろいろな方に支えていただき、勝っても負けても変わらずに応援してくださるサポーターの皆さんがいたおかげで、今の僕があると思っています」

―加入したばかりの頃は「J1リーグでどのくらい通用するのか不安もある」と話されていました。この2年間の結果を見れば不安は払拭されたのではないですか? 「いやいや、今も気持ち的には変わっていません。不安もあるし、もっともっと成長しなければいけないとも思います。ただ、このクラブの一員になれたことで、体の向きや動き方、シュートに至るまでのパターンなど『これを出せば自分らしくプレーできる』というような強みを備えられるようになったのかな、とは思います。といっても、まだまだミスも多いし、決めるべきチャンスで外してしまっていることも多いので、そこは謙虚に受け止めなければいけないと思っています」

―よく「もっともっと成長を」という言葉を口にされますが、その先にはどんな目標を描いているのでしょうか? 「最終的には海外で活躍できる選手になって、日本代表としてワールドカップに出場したいということは常に描いていますし、いつもそこから逆算して今の自分を見ている気がします。映像などで、海外の試合やヨーロッパで活躍している選手のプレーを観ているのも、そこをイメージすればこそですしね。ただ、そのためにはもっと自分が変わらなければいけないというか。サッカーはチームスポーツとはいえ、一人で流れを変えたり、打開できることがたくさんあるからこそ、もっと僕自身が自分のプレーでチームを勢いづかせたり、周りの選手に自信を持たせられるようなプレーをできるようになっていきたいです」

―今年1月のオフにはスペインに行き、バルセロナの練習場を見学されたと聞きました。そういった経験から受けた刺激もあったのでしょうか? 「そうですね。5日間の弾丸旅行で、残念ながら試合はタイミングが合わずに観られなかったんですけど、スペインの街を散策したり、観光地に足を運んだり。バルセロナの素晴らしい練習施設を見学させてもらって本当に刺激的な時間を過ごすことができました。それによって、いつかああいう舞台で活躍できる選手になりたいという気持ちもより強くなりました」

―そうしたオフを経て、ヴィッセルでの3シーズン目は富士ゼロックススーパーカップの初制覇からスタートしました。個人的にも同試合を皮切りに、初参戦となったAFCチャンピオンズリーグ(ACL)での2試合、そしてJ1リーグの開幕戦と4試合連続ゴールを決めるなど、手応えを感じる滑り出しになったのではないですか? 「FWはどれだけいいプレーができたとしても、目に見える結果を残さなければ意味がないし、逆にプレーの中身が思うものではなくても結果さえ残せば評価してもらえるポジションです。それを自覚すればこそ、より『結果』にフォーカスして今シーズンをスタートしただけに、目に見えた数字を残せたのは良かったと思います。特に、個人の『結果』はチームの勝利につながってこそ評価を得られるものだと思っている中で、『チームを勝たせるゴールを決める』という仕事ができたことは自信につながりました。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大による中断期間が明けてからは、それがあまり実現できていないというか。自分がゴールを決めた試合で勝てたのは、J1リーグ第5節の清水エスパルス戦しかないと考えても、自分への物足りなさはすごく感じているし、点を取るところまでの攻撃の迫力もまだまだ足りていないと思っています」

―J1リーグは15試合を戦って4勝7分4敗。チームとしても今一つ波に乗れていない印象です。どんなところに課題があると感じていますか? 「サッカーはちょっとしたミスで展開が大きく変わってしまうスポーツで、それがプラスに働くこともあれば、マイナスに働くこともあります。その中で、今はミスがマイナスに働くことが多くなってしまっているというか……『勝点を落とした』というイメージの試合が多いのもそのせいだと思います。また、勝っていない事実が少しチームとしての自信を削ってしまっているようにも感じます。昨年の終盤戦のようにチーム状態がいい時は、目指すサッカーや、それに紐づく決まりごとのもとで、それぞれが状況に応じた判断をしながらプレーできていましたが、今はその部分にも少し停滞を感じます。実際、僕たちには、パスサッカーだけではなく、カウンターという強みもあるはずで、ドリブルをしたらアカンとか、ロングボールを蹴ったらアカンってルールがあるわけでもないのに、状況に応じた思い切りのいい選択ができなくなってしまっている気もします。そう考えても、うちの選手にはいろんな個性をもった選手が揃っているからこそ、僕も含めてもっと『チームが勝つための選択』を、勇気を持ってしていくことも大事なのかな、と。ただ、そのためには常にピッチにいる11人が同じ絵を描いて一つにまとまって戦わなければいけないし、僕も含めて選手個々がそれぞれに好不調の波を抑えることも心掛けなければいけないと思っています」

―今年のレギュレーションでは交代枠が5人に変更されています。そうした状況で11人が同じ絵を描く難しさを感じるところもありますか? 「正直、ここまでの戦いを振り返ると、そう言わざるを得ないというか……試合によってフレッシュな選手が入ることでギアが上がったこともあった一方で、逆にそれが裏目に出て前からのプレスをうまく相手に剥がされて一気にゴール前まで持って行かれてしまったこともあったので。ただ、理想はたとえ一気に5人が交代したとしてもチームの『サッカー』は変わらず、質を落とさずに同じ絵を描いて戦うことなので、そこは今後も目指したいです」

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つづきは、オフィシャルマガジン「ヴィッセルスマイル」Vol.64[AUTUMN.2020]でお読みください。

ヴィッセル神戸オフィシャルマガジン
ヴィッセルスマイル Vol.64[AUTUMN.2020]
  • 編集長スペシャル企画:Bshop|VISSELコラボアイテムが発売!/大﨑玲央選手×西大伍選手×渡部博文選手×セルジ サンペール選手
  • スペシャルインタビュー/三浦淳寛監督
  • VISSEL SMILE SPECIAL EDITION/古橋亨梧選手
  • 25周年記念スペシャルインタビュー/小川慶治朗選手
  • 秘蔵PHOTO COLLECTION/菊池流帆選手、小田裕太郎選手
  • ダイヤの“裏”いぶき日記/前川黛也選手 など

「ヴィッセルスマイル」の詳細

古橋亨梧

Profile
古橋亨梧(ふるはし・きょうご)
颯爽と金髪をなびかせゴールを陥れるスピードスター。18年夏に神戸に加入すると、すぐさまイニエスタとホットラインを築きゴールを量産。2019シーズンはJ1リーグで10得点を挙げ、日本代表デビューも果たした。自粛期間には食事を変えて体質改善に取り組んだ。
1995年1月20日生まれ、奈良県生駒市出身、170cm/63kg

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